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通学中に
午後6時、天下茶屋から橋本行きの急行電車へと乗り込む。 中は会社帰りのサラリーマンやOL、学生で溢れている。 俗に言う帰宅ラッシュ。 うわーウゼェ、とか思いながらもなんとか吊革に掴まれる場所まで無理矢理移動して片手でニギッと。 扉斜め前方に陣取ったため、後から後からどんどんと入ってくる人や次の駅で降りる人が僕の周りに立つ。 背後以外全部女性。
うっかり手が当たって痴漢と間違われてはたまらんので、余った手でも吊革を握る。 うっかり鼻息荒くなって変態と間違われてはたまらんので、呼吸も極力抑える。 「どこ見てんのよっ! バシーン!!」とかやられるのも嫌なので、どこ見てるかわからんような目つきもしつつ。 これが僕のラッシュ時乗車スタイル。 なんつーか、ある種ヨガの境地?
電車は揺れる。
そのたびに背後のオッサンがいかにも踏ん張ってませんって感じで全体重かけて僕によっかかってくることに内心ブチ切れ、よっかかってくるごとに若干体を引いたらオッサンがひとりで勝手にぶっ倒れてくれるのではないだろうかと想像して口の端でニヤケていたところで突如電車が大きく揺れた。
と同時に左腕に重力方向への圧力を感じた。
ついに人様の腕を引っ掴みやがったかオッサンうっかりぶっ殺す、と顔面左腕方向に90度旋回。 目に入る女子の指先。 え? さらに視線を下に移動。 ミニモニサイズの女子。 そこから僕の左腕へと伸びる両手。 え、マジ?
とかなんとか。
『スイマセン!スイマセン!倒れそうになって』 と謝るミニモニ。 「あーいや、いいですいいです」 と答える僕。 『本当に御免なさい!』 とさらに謝るミニモニ。 「いや、吊革持ってる奴が支えるのは当然すから。いいですよ」 とか、オッサンに引っ掴まれたんなら100%思わんだろうことを気取って言ってみるテスト。
まぁ別にそれだけの話だけどな。
別にそんな下らんことで恋が芽生えたりするわけもないしな。 わかってるさ。